FIG.1に溶かした時間

サイトの顔になるキービジュアルを、飼い猫の写真から作り直した記録。Codexに投げて半日押し問答した末、別チャットの一文で片がついた。

一文で終わる作業に、丸ごと時間を溶かした

先に結論を書く。

最終的にFIG.1の画像ができたのは、新しいチャットに写真を貼って**「この画像から猫と毛布以外の部分を切り抜いて」**と一行打ったときだった。一発だった。

その一行に辿り着くまでにやっていたことは、ほぼ全部、無駄だった。

以下はその記録。

主役の画像がしょぼいのは、まずい

前回までで、サイトのファイルの骨格はClaudeとGPTの共同作業でまとまっていた。形にはなった。

なったのだが、目に見えてFIG.1がダサい。ダサいというより、仮の設定のままなのか、可愛くない。

横向きに寝る猫の線画へ毛色から取った配色名とカラーコードの注釈が付いた差し替え前のFIG.1

FIG.1 — 差し替え前のFIG.1。線画に6色の注釈が入っている。

このサイトのコンセプトは、飼い猫ビビンバの毛色からサイトを作る、である。名前もBIBIMBA WORKSである。つまり、主役の画像がしょぼいのはまずい。ここだけは誤魔化しが効かない。

引き継ぎ文を作らせて、画像生成チャットを立てた

毎回お決まりになってしまっている引き継ぎ文作成である。画像生成は別チャットに切り出すことにした。

投げた指示はこれ。

FIG.1画像差し替え これ、他チャットでビビンバの画像上げて、良さげな画像に編集してもらおうかな、君たち画像生成得意だから。 カラーコードも、もう一回取り直して修正してもらおうか 他チャットで画像生成してくるから引き継ぎ文を生成して

これに対してGPTは「画像専用チャットに切り出した方がやりやすい」と同意したうえで、そのまま貼れる引き継ぎ文を書いてきた。

原文はかなり長いので、骨格が分かるところまで削って載せる。

BIBIMBA WORKS という個人サイトを作っています。このサイトの監督役の猫が「ビビンバ」です。今回は、トップページに使う FIG.1用のビジュアル画像 を作りたいです。

前提:サイト名 BIBIMBA WORKS/タグライン「家庭内製造業 — 猫と暮らしながら、生活と仕事をすこしずつ自作しています。」/雰囲気は温かい・落ち着いている・少し遊び心がある・工房や作業部屋っぽい。企業サイトっぽくしない。安っぽい雑記ブログっぽくもしない。

やってほしいこと

  1. アップロードした写真の中から、FIG.1に向いているものを選ぶ(表情、キジトラの毛色の分かりやすさ、背景処理のしやすさ)
  2. 背景を整理する。住所特定や家族特定につながる要素をなくす。郵便物、表札、窓外の風景、PC画面、書類が写っていたら除去する
  3. 実写ベースで、温かく、上品に。後から注釈やSVGオーバーレイを重ねられるよう、周囲に余白を残す
  4. 完成画像から配色6色を抽出する(しま=本文/背中=見出し・罫線/おなか=アクセント/むね=背景ベース/はな=リンク・ボタン/め=補助色)。どの毛色から取ったかも書く
  5. altテキスト案、OGP流用の可否も出す

制約:企業広告っぽくしない。猫をキャラクター化しすぎない。実写の良さを残す。事実と違う模様や毛色にしない。不自然な別猫っぽさを出さない

※上の引用は、長さの都合で項目を間引いて再構成している。文言そのものは当時のまま。

さらに「別チャットの冒頭にこれも足すと精度が上がる」として、FIG.1は「監督 兼 カラーパレット」のような象徴的な位置づけであって単なる猫写真ではない、という補足文まで付けてきた。

やっぱり持つべきものは友だね。

ここまでは良かった。問題はこの後、この完璧な指示文をどこに投げたかである。

やってる感が欲しくて、Codexに投げた

私の悪い癖で、チャットでやればいいものを、なんとなくCodexを使ったほうがやってる感がある。

だから参考の写真をフォルダに入れて、さっきの指示文をそのままCodexに投げ込んだ。

これが、結局のところ時間を無駄にするだけだった。

おしゃれな工房のポートレートになって返ってきた

出てきた画像を見て、まず思ったのは「誰だこれ」だった。

写真の選定自体はちゃんとやってくれている。そこは良い。ただ、背景がとってもおしゃれな工房になっていて、ポートレートみたいになっていた。

これはこれで、きっと指示通りに編集されているんだろうと思う。「工房・作業部屋っぽく」と書いたのはこちらである。

だが、私の思っているビビンバではなかった

他の候補写真からも生成させてみた。これもなんだか知らない場所の背景が追加されている。ボツ。

うちの猫が、行ったことのない部屋に座っている。

雑に指示したら、雑なまま切り抜かれた

次に、こんな感じでトリミングしてほしいという範囲を、ペイントで雑に塗って指示してみた。

結果は、雑なまま切り抜かれた。塗った通りの、雑な形で。

正直、これはGeminiのnano bananaならこの指示で通った気がしている。ただし試していないので、これは完全に勘である。当時そう思った、という以上のことは書けない。

一文で切り抜けた

ここでCodexを諦めた。

新しいチャットを立てて、写真を貼って、こう打った。GPTの、普通のチャットである。

この画像から猫と毛布以外の部分を切り抜いて

一発で切り抜けた。

Codexとの押し問答は、まるごと無駄な時間だった。やはり適材適所なのかもしれない。

なお念のため書いておくと、指示文を書いたのもGPTで、Codexが駄目だったあとに一発で切り抜いたのもGPTである。**別の会社のAIに乗り換えて解決したわけではない。**同じところに、違う入口から入り直しただけだった。

背景を「作らせよう」としていたのが間違いで、やりたかったのは背景を消すことだった。指示文が丁寧で長いほど、AIは丁寧で長い仕事をしようとする。こちらが欲しかったのは、そういう仕事ではなかった。

それでもCodexが役に立ったところ

とはいえCodexくんにも良いところはあって、切り抜いた画像からのカラーパレットの抽出と、WebPの生成はやってもらえた。

画像そのものの「見た目を判断する」作業は駄目で、画像を「機械的に処理する」作業は得意だった。今回に関してはそういう分かれ方をした。

抽出された6色が、今のサイトの配色になっている。

ラベルHEX由来・用途
しま#2A2520額・背中の最暗部。本文文字
背中#5B5044背中の茶灰色。見出し・罫線
おなか#C89452おなかの暖かな黄土色。アクセント面
むね#F2E6CF胸元と毛布の生成り色。背景ベース
はな#8F503F鼻の赤茶を少し濃く調整。リンク・ボタン
#68632E別写真の目のオリーブ色を継承。ステータス表示

一点だけ補足がいる。「め」だけ、別写真から取られている

理由は単純で、採用した画像のビビンバは寝ているからである。目が写っていない。監督が目を閉じているせいで、目の色だけ他所から持ってくることになった。

ちなみに前回、Inkscapeで8色から16色に上げたのも目の色を出すためだった。この猫の目の色は、毎回どこかで問題になっている。

GPTから合格をもらった

画像ができたので、いざ実装である。が、自分にはどうやったらよいのか分からない。そこはレビュー・指示役担当のGPTにお願いした。

見せてみたところ、こう返ってきた。

これはかなり良いです。BIBIMBA WORKSのFIG.1としてかなり強いと思います。

眠っているビビンバ、肉球、生成りの毛布、横長構図が全部サイトの空気に合っています。「監督だけど寝てる」という世界観も自然に出ています。

「監督だけど寝てる」。これは自分では言語化していなかったところで、言われて確かにと思った。

ファイルについても確認が入った。

  • cut.webp:1836 × 744 / RGBA / 約321KB
  • cut.png:2048 × 829 / RGBA / 約3.0MB

表示用はWebP、PNGは元データ・保管用。カラーパレットも採用でよい、とのことだった。

なお、このファイルサイズはGPTが確認して報告してきた数値であって、自分で測り直したわけではない。ここは鵜呑みにしないでほしい。

実装は、また別のAIに渡した

実装指示書も書いてもらって、それをClaudeに渡して実装を依頼した。

無事に、今のFIG.1が誕生した。

まとめ:適材適所を、時間で払って覚えた

今回やったことを並べると、こうなる。

  1. GPTに完璧な引き継ぎ文を書かせた
  2. それを、やってる感のためだけにCodexへ投げた
  3. 知らない工房のビビンバが出てきた
  4. 雑に指示して、雑に切り抜かれた
  5. 別チャットで一文打ったら、一発で終わった
  6. パレット抽出とWebP変換だけCodexに戻した
  7. GPTにレビューさせ、Claudeに実装させた

道具の性能の話ではなくて、どの道具に何を頼むかの話だった。それを、指示文の精度を上げることで解決しようとしていた。指示文はすでに十分良かった。宛先が違っただけだった。

半日は言いすぎかもしれないが、数時間は溶かした。一行で済んだ作業に、数時間である。

そして今、サイトのトップには、毛布の上で寝ている監督がいる。