AI対AIのラリーに挟まれて、私の仕事は意思決定から伝書鳩に降格した

一行の指示でサイトの骨格ができてしまい、中身がブラックボックスになった。GPTに泣きついたら、GPTとClaudeの往復が始まり、私はその間でコピペをする係になった記録。

私の仕事が、意思決定から伝書鳩に降格した

このサイトの骨格は、GPTとClaudeの往復で固まった。

その間で私がやっていたのは、片方に言われたことをもう片方にコピペして、返ってきたものをまたコピペで戻す作業である。AI対AIの仲介人。仕事が意思決定から伝書鳩に降格した瞬間だった。

以下はその記録。前回の続きで、Claude Codeが一行でサイトを作ってしまったところから始まる。

一の問いかけに、百で返ってきた

そもそもの発端は、Claudeとのコンセプトのラリーの最後にした、この質問だった。

このサイトをざっくりの階層構造と骨格だけ作って欲しいんだけど、claudecodeに移って作っていったほうが良いかな?

軽い相談のつもりである。ところが返ってきたのは、こういうものだった。

Claude Codeに移るタイミングとしては今がまさに適切です。チャットは構想と校正、Claude Codeは実装、という分担が一番きれいに回ります。

これで終わりではなかった。回答には構築指示書がまるごと添付されていた。サイトマップ、Astroのディレクトリ構造、記事のfrontmatterスキーマ、骨格段階で入れるもの/入れないものまで指定してある。さらに、作業フォルダの作り方からモックと見比べて調整するところまで、移り方の手順が3ステップで並んでいた。

そして今後はClaude Codeが「工場」、チャット側が「編集部」という役割分担の提案。締めがこれである。

骨格ができたらスクリーンショットを見せてもらえれば、デザインレビューもやりますよ。監督にもよろしくお伝えください。

※引用は一部を省いている。監督とはうちの猫(ビビンバ)のことである。

聞いたのは「Claude Codeに移ったほうがいいか」の一点だけなのに、ここまで返ってきた。一の問いかけに百で返されたわけで、言われるがままにやったというのが真実である。

一行でサイトができてしまった

指示どおり、Claude Codeにこれだけを投げた。

bibimba_works_build_spec.md の指示に従って、サイトの骨格を作って

これでWebサイトが出来上がった。

もともと前回の記事に書いたとおり自分はGPT押しだったので、デザインの部分だけモックでも作ってもらって、あとはCodexに仕上げてもらおーくらいの気楽な構えだった。そこへフルスロットルでClaudeが仕事をしてきて、置き去りにされた感じである。

index.htmlを押しても、起動しなかった

できたWebサイトのフォルダを見ても、何がなんだかさっぱりだった。どれをクリックすればサイトの確認ができるのかさえ分からない。

これまでCodexと一緒にHTMLで動くWebアプリを作ったことはあった(購入評議会アプリ。作った話はまた今度書きたい)。だから今回もWebなんだし、きっとindex.htmlを押せば起動できるでしょ、と思って押した。

出てきたのは、なんだかバグった表示だけだった。

そう、今回はAstroなるもので作っているため、起動方法が違ったのである。こんなことも分からないのがバイブコーダーである。

結局AIに聞いて、npm run devをやると起動することを知った。

ブラックボックスになったので、GPTに泣きついた

中身が何なのか、どういう感じで作られているのかも分からない。

Codexなら逐一こちらに聞いてきて、答えているうちに組み上がっていく。ところがClaudeさんは一撃で完成まで持っていってしまうので、中身がブラックボックス化した

こうなったら頼るのはGPTさんである。泣きついた。

じつはclaudeは段階的に実装するより全部やっちゃおうって感じみたいで、「bibimba_works_build_spec.md の指示に従って、サイトの骨格を作って」これだけでサイト作っちゃった。確認して欲しいけどファイルが多くてどれを見せたらいいか分からないわ

これに対してGPTさんは、

それはそれで良いと思います。 Claudeが一気に作ったなら、まずは「完成度を見る」より先に「壊れてないか・方針からズレてないか」を確認するのが良いです。

優しい。人間なら、浮気して他人にやらせたものの面倒なんて絶対に見たくないものである。

そのうえで、Claudeにこう聞いてみて、という指示文までくれた。

作成した BIBIMBA WORKS のプロジェクトについて、第三者レビュー用に以下をまとめてください。

  1. 生成・変更したファイル一覧
  2. 各ファイルの役割
  3. bibimba_works_build_spec.md に対して実装済みの項目
  4. 未実装または仮実装の項目
  5. build_spec から意図的に変更した点
  6. まだ確認が必要な点
  7. npm run build の結果
  8. 既知の懸念点

そのうえで、レビュー担当に渡すべき最小ファイルセットも提案してください。

何を確認すればよいのかも分からない自分にとっては、とても心強かった。ここは今読み返しても、いい依頼文だと思う。

伝書鳩、始まる

これまでもGPTのチャットとCodexのやり取りを仲介したことはあった。だが今回は、AI対AIの仲介人である。

ここからはひたすら、GPTに「Claudeにこう聞いて」と言われたことを聞き、返ってきたものをGPTにコピペする作業になった。

GPTに言わせると、大枠は良いが色々と粗もあり、修正箇所は優先度別に9点あるとのことだった。

中身は構造化データの出し方だのURLの設計だのという話で、正直この時点では何を言われているのか分かっていなかった。

ただ一点だけ、意味が分かるものが混ざっていた。Gitに設定されているメールアドレスが個人のものになっていないか確認しろ、という指摘である。公開リポジトリにするなら見えてしまう、と。

そして、この一点はこの時点では直さなかった。

GPTに「公開する前に一度Gitを作り直してやれば良い」と言われたからである。ヤバいだろうなーと思いつつ、言うことを信じて放置した。 ここでも信じている。

(結論を先に書いておくと、公開前にあらためて聞いてみたら、やっぱりヤバかった。ついでに、ローカルのサイトがずっと起動したままになっていることにも気づく。Claudeの危うさを知るのはそこである。その話は後の記事に書いた。)

そういうわけで、見えないほうの修正は後回しにして、目に見えるほうの修正から始めることにした。

Codexに戻そうとしたら、GPTに止められた

ラリーを続けてある程度は直したが、途中でこう思った。結局GPTに聞いているなら、Codexに戻って修正したほうがまとまっていていいのでは、と。

そこで、こう聞いてみた。

君が感じた違和感の内容は専門的で分からないから君に一任するけど、気になった箇所は本格的に始める前に直しておこう。今回は私が、記事を書くよりまずは箱があったほうがテンション上がるよねって感じで始めた感じだったからある程度の完成度で良いかなと思ってたけど、今までの経験上、骨格はほんとに大事なのは身にしみて感じていたので、修正は早いうちに始めよう。 これをこのサイトを作ったclaudeに直させるか、Codexに任せるか迷うところだけど、どっちがおすすめ? ある程度のところまでは作った張本人に任せようか? デザインの部分をclaudeにまかせて、細かいロジックは君の方が信頼できるので、そっちにお願いしたいけど、なにせファイルの扱いが難しくて、codexが直したことをclaudeが把握してないと同じようなこと二回やっちゃうかもだし、なにこれってなっちゃうよね?

自分としては「Codexに戻したい」という誘導まじりの質問である。ところが返ってきた答えは意外だった。

おすすめは、今回はClaudeに直させるです。 ただし、Claudeに自由に直させるのではなく、私が修正方針を固定して、それをClaudeに渡すのが一番安全です。

示された分担はこうだった。骨格の修正はClaude——自分で作った構造なので、デザインの意図を壊しにくいから。GPT自身は修正方針とレビュー観点の担当。Codexは後から出てくるビルドエラーや細かいロジック修正に回す。

つまり、GPTが修正指示を書き、Claudeが実装し、Claudeに変更サマリーを出させて、GPTがそれをレビューする。その一周が回るということである。

※どのモデルを使うかも相談していたが、その部分は伏せている。

こちらは身内(Codex)に引き取らせるつもりで聞いたのに、GPT自身が「Claudeに直させろ」と言った。そして自分は方針とレビューに回る、と。伝書鳩の運行を決めたのも、鳩ではなかったわけである。

半分も理解しないまま、納得のいくところまで行った

お言葉に甘えて、このまま伝書鳩を続けた。そしてなんとか、GPTの納得いくところまで持っていくことができた。

往復した回数そのものは、たいした数ではない。ただ一往復ごとに何を言われているのか読み解いていたので、体感としては長かった。ここは正直に書いておく。

そしてもっと正直に書いておくと、彼らのラリーの半分も私は理解していない。 GPTがClaudeの作ったファイルの何が気に入らなかったのかも、よく分かっていない。

分からないまま、GPTの言うことを信じてコピペしていた。そう言うことを信じている自分が、少し怖い。

ここは今も解決していない。骨格が良くなったのかどうかを、自分で判断できていない。判断できるようになったらまた書く。

私にも分かることが、一つだけあった

この次で、やっと私に仕事が戻ってくる。

サイトの構造もセキュリティもコードもさっぱりだが、Claudeがはじめに作った猫の線画のFIG.1——今のトップにいるビビンバの部分——がダサい、可愛くない。それだけは私にも分かった。

なので、修正を依頼することにした。次はその話。