WEBのWの字も知らないまま、AIに背中を押されてこのサイトを作り始めた

ニッチな趣味と猫の生活をまとめたサイトを作ろうと思い立ってから、実際に手を動かし始めるまでの記録。GPTの新機能に飛びつき、それを自分で却下し、Claudeに丸投げするまで。

このサイトは、AIに全部考えてもらって始まった

……ように見えて、分岐点は全部自分が選んでいた。というのが、記録を読み返した結論だった。

当時の自分は「もう私はいらないかと思ったくらい、なにも考えていない」と思っていた。その感覚は本物だったし、今も半分そう思っている。でも当時のログを開いてみたら、決定的なところでAIの提案を蹴っているのは全部自分だった。

その落差ごと、はじまりの記録として残しておく。

最初の一言

すべては、この質問から始まった。

私の趣味や生活は意外と人が興味があるニッチなものが多いような気がする。 私の趣味や猫との生活をまとめたサイトを作って運営してみようかなと思う。 3Dプリンターの製造記録や販売、AIとの対話の記録、猫の成長、家づくり、ギター、会社で使う様な業務改善の記録など。 そのサイトに私の作ったwebアプリも繋げれば良いかもしれない。 どのようにやっていくべきかは分からないけど、少しでも副業にならないかな?

※金銭事情に触れた部分だけ伏せている。それ以外は当時のまま。

読み返すと、動機がまったく飾られていない。お金になったらいいな、である。ここは今も本心なので、そのまま残しておく。

そしてAIに背中を押されて、やってみようかなという気になった。

最初に返ってきた答え:「やる価値はある」

この問いに対して返ってきた回答が、今読むとかなり効いている。要点はこうだった。

  • ニッチだけど実体験があるので、AI量産ブログより強い
  • ただし最初から「稼ぐサイト」にせず、まず趣味・生活・制作記録を公開資産にするサイトとして始める。収益導線は後から足す
  • 一番強い軸は 3Dプリンター × 猫 × 家 × AI × 自作アプリ。普通ならテーマが散らかるが、「生活を少しずつ自作・改善していく記録」としてまとめれば一本の軸になる
  • 収益化の順番は、アフィリエイト → 自作アプリ導線 → 制作物販売 → デジタル販売 → 広告は最後
  • トップページはカテゴリを並べるのではなく、「暮らしをつくる/道具をつくる/仕事を整える/趣味を楽しむ」の4つにまとめる
  • 期待値としては、半年で大きく稼ぐのは難しい。1〜2年で月数千円〜数万円。まずは月1万円を目指す種まきとして始めるのがちょうどいい

テーマごとの相性を点数化した表も出てきた(3Dプリンター92、猫86、AI活用84……ギター65、という並び)。この点数の根拠は示されていないので、当時こういうものが返ってきた、という記録として書いておく。

1か月経った今、答え合わせをすると

まだ1か月ほどしか経っていない。それでも、もう答え合わせができる部分が三つある。

当たっていたこと①:Astroの名前がここに出ていた。 「記事数が増えて検索・タグ・関連記事が欲しくなったら、WordPressやmicroCMS、Astro、Hugo、Next.js系を考えればいい」と書かれている。当時は何のことか分かっていなかったが、このサイトは今まさにAstroで動いている

当たっていたこと②:失敗ログが強い、という助言。 「完成品だけでなく失敗ログを残せ。検索する人は成功例より、うまくいかない原因を探すことが多い」。書き始めてみると、実際そうなった。手が動くのは、うまくいった話ではなく詰まった話のほうだった。

裏切ったこと:順番。 最初の90日の目標として提示されていたのは「30記事と1つの公開アプリ」。1か月目に記事10本、2か月目に制作ログ、3か月目に収益導線、という順序だった。サイトの作り込みは後回しでいい、という設計になっている。

その1か月目が、ちょうど今である。手元にある記事は10本ではない。代わりにこの1か月で何をしていたかというと、サイトの構築とデザインだった。順番を、きれいに逆から進んでいる。

これがまずいことなのか、単に自分に合った順番だったのかは、まだ分からない。分かったらまた書く。

GPTの新機能「Sites」に飛びついた

ちょうどその頃、ChatGPTに Sites という新機能ができたという話をXで見かけた。なんとなく聞いてみた。

ところが返ってきた回答は、Sitesを主役にしないものだった。自分にはすでに GitHub、GitHub Pages、HTML/CSS/JS、Codex の環境がある。だから役割を分けるのが強い、という提案。

コンテンツ管理にはSitesを使う ↓ アプリはGitHub Pagesで公開する

サイトを母艦にして、「購入判断アプリはこちら」から GitHub Pages に飛ばす導線。なるほど、と思った。

そこで「アプリは今のままGitHubに置いて、新しく作るサイトからリンクで飛ばそうと思っている。堅苦しくならないデザインの良いサイトを作りたくて、この新機能が良さそうだと思った」と伝えたら、今度はかなり具体的な設計が返ってきた。

  • ChatGPT Sites → 趣味・猫・3Dプリンター・家づくり・AI活用を見せる母艦サイト
  • GitHub Pages → 自作Webアプリ置き場(コレクター購入評議会アプリなど)
  • 外部サービス → BOOTH / note / Amazon / SNS など

コンセプトの案として出てきたのが、「猫と暮らしながら、AIと3Dプリンターで生活を少しずつ自作する記録」。トップはブログ一覧ではなくカード型で、猫との暮らし/3Dプリンター制作室/AIとの作戦会議/家づくり/自作Webアプリ置き場/ギター/仕事を整えるメモ、と並べる。

サイト名の候補も出てきた。

  • 暮らしの作戦室
  • 猫とAIの工作室
  • 小さな生活実験室
  • 猫とガジェットの家
  • 暮らしを自作する部屋

今のサイト名はこの中にない。ないのだが、「暮らしの試作室」という今の副題は、明らかにこの並びの延長線上にある。名前は後から自分で決めたつもりでいたけれど、種はここで撒かれていた。

あとSitesはベータなので、いきなり本番サイトにせずデザインの試作場として使うほうがいい、という忠告もあった。猫の写真、家の写真、家族の情報、会社の業務改善ネタは公開範囲に注意すること。会社系は実名・会社名・取引先名・実データを出さず、一般化したノウハウとして書くこと。この指摘は今も守っている。

自分で提案しておいて、自分で却下した

ここが一つ目の分岐点だった。

Sitesを使いたいと言い出したのは自分である。それなのに、この回答を読んだあと、なんとなくもうGPTを信用していたので「Sitesを経由するより、はじめから普通に作ったほうがいいのでは」と思ってしまった。

そして、普通にWEBページを作ってみることにした。

……WEBページのWの字も知らないのに。

「Claudeはデザインセンスが良いらしい」

とはいえ何も知らないので、AIに頼るしかない。

これまでAIをいろいろ使ってきた経験と、使っている人の話を見ていた感触から、Claudeはデザインセンスが良いらしいことは知っていた。実際、自分のWebアプリをClaudeに直させたら、すごくおしゃれになった経験がある。

ただし後からGPTに聞いたところ、「コードのほうはダメだったっぽい」という話だった。これは自分で検証したわけではないので、あくまで当時そう聞いた、という記録として書いておく。

AIに、AIへの依頼文を書かせた

そこで思いついたのが、これだった。

君が一番私を理解しているAIなんだけど、デザインや違う意見も聞いて見たいから他のAIに私の副業サイトを作ったらどういうコンセプトになるかを確認するために、一旦私の悩みや、思いをまとめてみてくれないかな?

自分の思いを、GPTにまとめさせて、Claudeに渡す。

つまりGPTを通訳として使った。長く付き合っているほうのAIに前提を要約させ、それを初対面のAIへの手土産にする、という発想。

これに対して、GPTは完璧にまとめて返してきた。びっくりした。(まとめは長いのでここには載せない)

そしてその要約をClaudeに渡したら、また賢い返しが返ってきた。

もう私はいらないかと思ったくらい、なにも考えていない

何も考えていないようで、決めていたのは自分だった

というのが当時の実感で、今もその感覚は残っている。

ただ、こうして書き出してみると、話が少し違って見えてくる。この立ち上げでAIが決めたことは、実は一つもない。

  • Sitesを使ってみたいと言い出したのは自分
  • その提案を読んだうえで、Sitesを経由しないと決めたのも自分
  • Claudeにデザインを見せると決めたのも自分
  • GPTを通訳に立てるという手を思いついたのも自分

AIがやったのは、その都度いい球を返すことだけだった。どの球を採用してどれを捨てるかは、全部こちらが選んでいる

たぶんAIを使っていて「自分はなにも考えていない」と感じるのは、考える作業のうち言語化の部分だけをAIが肩代わりしているからだと思う。考えていないのではなく、考えた形跡が自分の手元に残らない。だからログを読み返すまで、自分が決めたことに気づけない。

このサイトは、そういうところから始まった。